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をユニット化している。なお現在のところ、鉄筋の緊結方法は結束線が主である。高所での鉄筋組立の危険作業が大幅に低減したこと、天候が悪くても鉄筋のユニット化作業ができることから工期の短縮も図られ、現場での本工法の評価は高い。

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Fig-2 Deployment of Unit Reinforment

2−2. ケーソンのプレキャスト化
ケーソンのプレキャスト化は、いくつかに分割されたケーソンの壁(パネル)をあらかじめ陸上で製作し、クレーンで建て込みを行いパネル同士を接合する工法である。現在パネルは合成版方式と鉄筋コンクリート方式の2種類が提案されている。
合成版方式の概要をFig-3に示す。外壁パネルは、スタッドと呼ばれるずれ止めで力学的に結合された合成版式である。この合成版パネルを鋼製の内部骨格に溶接にて取り付けて製作する。パネル同士はFig-4に示すように、パネルの両端から突き出している鉄筋を機械継手(スリーブ継手)により接合し、接合部に充填コンクリートを打設して一体化を図っている。現在、横須賀港ではこの形式のケーソンが製作されている。
鉄筋コンクリート方式の概要をFig-5に示す。この工法は、ケーソンの隔壁と柱部(隔壁の交差部)をプレキャスト化している柱部をケーソンの底版部に建て込み、鉄筋コンクリート製の隔壁パネルを順次差し込んでいく。パネル接合部の構造をFig-6に示す。箱形の接合部に隔壁パネルを差し込んだ後、接合部の空間部に高強度無収縮モルタルを充填して一体化を図っている。
現在酒田港で試験工事が行われている。

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Fig-3 Composite Panel Method

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Fig-4 Joint Detail of Composite Panel

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Fig-5 RC Panel Method

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Fig-6 Joint Detail of RC Panel

3. 省力化技術と技術的課題
3−1. 鉄筋ユニット工法
(1)溶接鉄筋の技術課題
溶接により鉄筋ユニットを製作すると、施工時の必要な強度が容易に得られ変形が少ないなどの長所を有するが、その反面、鉄筋同士を点溶接すると鉄筋の疲労強度や海水に対する耐久性の低下が懸念される。また溶接鉄筋網をコンクリート部材に使用することにより接合部(重ね継手部)が存在する。この接合部では、一断面に

 

 

 

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